一本の歯

少数歯残存?

「少数歯残存」議論の余地ある言葉です。
これについては、懐かしい思い出があるので、それについて考えました。
とある学会でのことです。質問を代読したことがあります。依頼された加藤元彦先生が
「明日は学会に出られないから、代読してくれ」
と言い残して、私は信頼されてメモを渡されたのでした。

「少数歯残存」といういいかたは、まずいんじゃないだろうか。「少数歯」は仕方がないとしても「残存」の方がいけない

ということでその理由として

「生存兵」とは言っても「残存兵」といわないだろう

ということでした。
その理由はこうです。
ジャングルにて逞しく生き残った兵隊さんは、横井さんとか小野田さんと相次いで出現したことがありました。
彼らは己の力を恃み、ジャングルで、それこそ苦しい思いをしての結果としての「生存」なのでした。
それこそ、旧帝国軍隊が『「残存」してやった』としては、都合が悪すぎるでしょう。

歯も同様「残存」とやっては思い上がりも甚だしい

という論旨だったように思います。

さて「少数歯生存」の場合です。これは統計的に圧倒的に切歯(「糸切歯」のこと)が残ることが多いのです。
それから片側づつなくなる例が多い。
上下の対向上も、いずれか片方がなくなっていく例が多い。

ということで、このなくなり方が、義歯を設計するときには至って都合が悪いのです。

したがって、結果として残った歯を一本でも大切にしなければなりません。
保存技術を試されるのです。
07Jun5